キリマンジャロのアホ


序章:日常に不足したもの

本編:キリマンジャロのアホ
後記:登頂したい人たちに

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2000.09.17
マラングゲート(ANTの襲撃)

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マラングゲートでポーターやガイド達と顔をあわせる。
6人が登頂するためのサポート体制は総勢15名。
食料や水、それに燃料まで運ぶのだから、そういった人数になる。
入山手続きは、簡単に終わる。
さあ、スタートだ!


一般的な情報を総合すると、今日は霧や雨だけ心配すれば、何の問題もない心地よいハイキングであるはずだ。

出発してまもなく、蟻の行列を発見した。
アフリカの蟻は凄くパワフルだ。
サバンナのあちらこちらに蟻塚を見ることができるが、我々の身長を超える高さのものはどこにでもあるが、中には高さ2メートルをはるかに超えるものすらある。
そんな事を思いながらシャッターを切っていると、チーフガイドのトーマスが「止まるな!」と叫んだ。
私のくるぶしまでは、蟻で真っ黒になっていた。
私がそこらじゅうを走り回り、蟻を払いのけるが、既に蟻はあちらこちらと這い回りはじめ、すこぶる痒い。
私よりも、感心して蟻に見入っていた神様は既にひざから下が真っ黒だ。
ズボンの中や、靴下の中も侵攻されている。
「この旅は蟻に食われて、ここで終わるのか?」
==日本の観光客、蟻に食われて死亡== そんな状況が脳裏を過ぎる。
日本では、知ったかぶりの評論家が「いやー、アフリカでは蟻に近づかない事は常識ですなあ」などとワイドショーでまくし立てる。


まあ、そんな大げさな事にはならなかったが、想像しただけで笑いが止まらない。
そんな私は、既に高山病なのだろうか?

さて、道は狭くはなるが大変良く整備されている。
そして、正確な時間は記録していないが、おそらく4〜5時間ほどでマンダラハット(2,700M)に到着した。


高山病やその他のトラブルに襲われた時は、
この救急車が出動する。
費用はおそらくガイド料に上乗せで、請求されるだろう。