キリマンジャロのアホ


序章:日常に不足したもの

本編:キリマンジャロのアホ
後記:登頂したい人たちに    

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2000.09.18
ホロンボハットの夜はふけて Part2

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やっと落ち着きを取り戻してシュラフに入ることができた。

ドタバタ劇には、オチまでついていた。
まず、隣りのフランス野郎が外に回って、カギ(かんぬき)を開けてくれた。
当然、「Thank you!」と出迎える。
御隠居は感動のあまり、ベッドから抜け出してフランス野郎の両手をにぎりしめて「Thank you!」を連発している。
しかし、どうも様子が変だ。
良く聞くとこう言う事だ。
「さっき部屋を間違えて扉を開けたんだども、すぐに気んづいて閉めたんだ。」
「そん時、ついうっかりしてもうて、かんぬきもかけちまったんだべ。」
「悪いことしちまって、すまねと思ってるんだ。」・・・ってな具合だ。

しかし、このことを皆に聞かれると事態が悪化する。
私も、「Thank you!」を連発しながら、フランス野郎の手をつかみ「これ以上何も言うなよ!」とばかりに、部屋から押し出したのだった。
ジャンリュック・ピカードめ!
アリだけは、その顛末に気づいて笑っていた。