キリマンジャロのアホ


序章:日常に不足したもの

本編:キリマンジャロのアホ
後記:登頂したい人たちに    

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2000.09.17
マンダラハット

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みんなそれぞれのペースで、マンダラハットに着いた。
我々が到着するとまもなく、紅茶とビスケットが用意された。
高山病予防のため、飲み物は意識的に多く摂取する。
そうは言っても、2,700Mでは、はっきりとした高山病の症状は現れない。
一番元気なのは、神様とドーネンだ。
彼ら2人は休憩もそこそこに、高度順応に出かけてしまった。

高度が上昇すると寒くなってくる。
毎日、約1,000M上昇するわけだから、そのたびに6℃ほど気温が低下する。
ケニアにしろ、タンザニアにしろ日本人が一般的にイメージしているよりははるかに涼しい。
従って、朝の頂上の予想気温は-15℃となるわけだ。

マンダラハットの空気もひんやりとしている。
私もフリースを着込んだ。


写真撮影を終えてから、高度順応の為に少々高度を上げることにした。
すぐにフクちゃんに追いつき、しばらくのんびりと散歩を楽しんだのだが、神様とドーネンの姿はいっこうに見えない。

一般的には、高所での急激な運動や飲酒は、高山病を悪化させるとされている。
大きく深呼吸をしながら、ゆっくりと歩くのが基本だ。
2,700Mでは、はっきりとした症状は出ていなくても、冷静に心拍数を測ると平常時よりも多くなっているはずだ。
これは、順応するに従って平常時に戻って行く。

マンダラハットに帰り、神様とドーネンを待つが夕飯の時間になっても戻ってこない。
何かあったのだろうか?




首は白いが「カー」と鳴くのでカラスには違いないのだろう。
自分でゴミ箱のふたを開けてゴミをあさるが、開けたふたを閉めることはない。




私もフクちゃんの後を追って、気楽なスタイルで高度順応に出かけた。