キリマンジャロのアホ


序章:日常に不足したもの

本編:キリマンジャロのアホ
後記:登頂したい人たちに    

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2000.09.17
キリマンジャロのアホ

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アホである。
本当にアホである。
神様とドーネンが息を切らして帰ってきた。

高度順応に向かった彼らは、なんと500Mも登っていた。
登った以上は降りなくてはいけない。
最初はとぼとぼと歩いていた2人だったが、ドーネンが「メシに間に合いますかね?」と、つぶやいたのが事を悪化させた。

神様は走り始めた。
ドーネンもついて行く。
日ごろからランニング登山をしている神様にしてみれば、「こんな若造ぶっちぎってやる」と、内心思ってスピードを上げる。
冬山で鍛えたドーネンにしてみれば、「こんな酔っ払いオヤジに遅れをとってはいけない」と思った訳だ。
その後、無言のままデットヒートを繰り広げた2人だが、今は息を切らして座り込んでいる。
あきれる私達に、「いやー、ホロンボ・ハットまではいきませんでしたよ。」と、神様が言う。
このままだと、明日はキボ・ハットまで高度順応に出かけることになるのだろうか。

しかし、このあきれた人たちのおかげで、今回の登頂記のタイトルが決まったのだ。
神様と話し合った結果、10年後には「老人とアホ」を執筆することとなった。

この夜のメシは盛り上がった。
ランニング、ビール、ウイスキー、高所トレーニングとしてはなかなか良いメニューだ。