キリマンジャロのアホ


序章:日常に不足したもの

本編:キリマンジャロのアホ
後記:登頂したい人たちに    

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2000.09.20
Gillman's Point(5,681M) 

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頭上からドーネンの声がする。
「ZAKIさん!あと20メーター登ってきてください!」

もう急ぎたくても急ぐ体力はない。
ゆっくり、ゆっくりと登る私の目に飛び込んできたのは、壮大な氷河だった。
AM 6:13 その場所がGillman's Point(登頂証明が発行される)であった。
倒れこむように、休憩を取る。
しかし、すぐさまイベントが始まってしまった。
自由の利かない指先で、カメラバッグをまさぐり、望遠レンズのついたカメラを取り出す。
日の出だ。
朝日を浴びた氷河を収めようと準備する。
マイナス15℃で震える指先、300mm、そしてスローシャッター。
岩で体を固定しながら、根性の一枚をカメラに収める。

「ZAKIさん。寝てますよ。」とドーネンに起こされる。
一瞬でも気を抜くと眠ってしまうようだ。
AM 6:30 Uhuru Peakへ向けて、出発の時が来た。
緑のヤッケがドーネン、黄色いのがZAKI