| 
              【R-6】 ・最後の戦い激しい波の中をハーインドーを追う。交代で、ホーボーとリハビリ田中を下ろし、鶏肉山田、特命高橋、リリーを入れた。
 漕ぎ手の数は、維持もしない、減らしもしない。増やしたのだ。
 自分の出番はないものだと思っていたプロカメラマンの鶏肉山田(山田真人)は、突然の事に驚き、カメラをケースにしまいながら、手首が痙攣した。
 それほど、思い切った決断なのだ。
 リーリーには艇の後方に着座してもらい、難所のチービシの波の中での排水作業も担当してもらう。また、特命高橋は、カヤックガイドの知識を生かし、ゴール地点を見つけるナビゲーションを担当するのだ。
 
 前島を通過するとすぐに、波はさらに激しさを増した。
 途中、水没したレース艇を見た。
 強豪チーム「海翔」だろうか?
 ムリもない。強風はマストをへし折らんばかり、高波はバウを横殴りに叩く。
 一瞬の油断が転覆に繋がる状況だ。
 そんな中、6ノットをキープしての激漕が続く。
 強豪「ハーインドー」の赤色の帆が、波間に見え隠れしていた。
 風上の選手は船体から身を乗り出してバランスを取りながら漕ぎ進む。
  引用:「不良のアウトドア」 ・ワープAM10:45
 激しい波がいくぶん納まりかけていたようだ。
 特命高橋にチービシの位置を確認する。
 いよいよその時が来た。
              ゆっくりと縮帆を解くように命ずる。
 フルセールになったニヌハ2の帆に、慎重に風を入れると、時折7ノットをマークする。
 しかし、まだまだ横波は高く、時折アウトリガーを飲み込み、ニヌハ2を迷走させる。
 この状況では、ドリフト量が予想できない。
 計画したコンパス進路は、すでに当てにならないのだ。
 伴走艇はゴール地点の確認を済ませて戻ってきた。
 ホーボーがマイクを取って進路の情報や、他のチームの情報を知らせる。
 前方に見える白い帆は? 強豪チーム「海想」?
 夢を見た瞬間だった。
 いよいよ縮帆を解く。
 最高速度は上がるものの、アウトリガーが波に飲まれ、船首方向が安定できない。
 何度もカメラを放り投げて修正する、
編集なしの画像。
 ・ゴール完全燃焼だ。
 伴走艇が確認するまで、順位も明確には判っていなかった。
 最後は、ハーインドーとのデッドヒートに破れはしたが、5位でのゴール。
 タイムは3時間25分25秒。
 全ての作戦が成功した。
 実力以上の出来すぎの結果だ。
 最高のクルーと、最高の美酒を!
 乾杯!
 
 そして、表彰式では2008年に古式サバニ「ニヌハ3」での参加を宣言した。
 |