2007年05月26日
2007年06月02日
2007年06月09日
2007年06月16日

【2007年06月09日】

・オーラ

仕上がったニヌハ2は、既に強烈なオーラを放ち始めている。
この頃から、ニヌハ2が完成型に成長したことを認識し始めた。
それは、嬉しくも寂しくもあることだった。
艇の完成は、この艇でのチャレンジの終了を意味する。
完成された安全な艇は、ツアーで活躍することになる。
翌年、ニヌハ2がこのレースに出ることがあっても、それは私達ではないと言うことだ。
これが、選抜メンバーによる「ニヌハ2 最後の戦い」になる。

・2時間
前年のレースを振り返る。
タイムロスが発生したのは、アウトリガーを大きく持ち上げ、コントロールを失ったスタート時。風位を見失った5分間。 そして、選手交替に要する停止時間だ。
同じ実力の選手が、以前より好タイムを出すためには、問題を解決する必要がある。
交替を1回のみにするために、漕ぎ手には、2時間漕ぎ続ける持久力を要求した。浜比嘉でのトレーニングで、それが可能であることが証明された。
・帆の形状

今年、帆の形状に関しては、仲村氏と私の間で激論が繰り返された。この日のテストでは、追い風で強烈に走り、上りで失速した。
レース当日の風向きからすると、概ねこれで良いはずだ。
しかし、270度方向の自由を手にしなければ、旅サバニの要件を満たしていない。帆綱にも必要以上に強烈なパワーがかかっていた。
ラダーの容量も不足して、エークで補助する必要がある。
議論の時間は終わった。後は改良あるのみ。
時間との勝負が始まった。

・360度
強風の吹くこの日、練習中に帆柱のトラブルが発生した。
そう、帆柱が折れたのだ。
帆を下ろし、向かい風の中を港へ戻る。
頭上に360度の円を描く虹が出ていたが、今の私達には、景色を楽しむ余裕はなかった。

 



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