R/3おみくじ
ふぉぁあ〜! お告げじゃ〜!
土曜AM3:00 男はガレージで野獣の唸り声に似た低く獰猛なアイドリングを奏でる愛機ZX-11の前にいた。 漆黒のレーシングスーツを見に纏った彼はサザエの知る「三河屋のサブ」では無い。 「湾岸のSABU」 彼は走り屋仲間から畏怖の念を込めそう呼ばれている。SABUは暖機を終えた愛機に跨りヘルメットの中で微笑んだ。(サザエの奴・・・今日は激しかったな。まるでコイツの様に官能的だったぜ)黒き猛獣はSABUを乗せ狂った雄たけびと共に闇の彼方へと吸い込まれていった・・・夜の首都高を走るサブ。 昼間は決して見せる事の無い過激なライディングに追随できる者はいない。スピードと言う名の快楽を貪る彼の脳裏にサザエの淫らな痴態がよぎる。(サザエは何故、あんなウダツの上がらない婿養子の妻になったのか?)平凡を絵に描いたような男・・・オレとは住む世界の違う男・・・・その時、愛機ZXの爆音とは異なるエグゾーストノートを耳にしてサブは我に返った。「!!」サブはミラーを覗くが敵機の姿は無い。(まさか・・・!!)その刹那、スリップストリームから飛び出た真紅の機体が一気にサブの前に出る。 紅いハヤブサを駆るのは同じく真紅のライダースーツに身を纏う男。背中に「魔 棲 雄」の縫い取りが見てとれた。「魔棲雄・・・まさか、マスオだとっ!!?」 つづかない。。。

もういっかいひく