戦 

それでもレースは始まった
6月26日 9:00 スタート

6月26日 9:00 
ほぼ向い風の中をスタートする。
最初の一瞬こそ風を捉えたものの、その後はどんなにバテンを引いても、必要な揚力は得られない。
帆を下ろしての漕ぎの勝負だ。
アビーム(真横から風を受けて走る)にシフトした組舟のニヌハ2世号にとっては、地獄のような漕ぎ勝負が始まる。
出走38艇中、ほぼ最後尾からの走り出しだ。
しかし、そこは勇者ニヌハチーム。
時間の経過と共に、なんと先行するグループに食い込み始めた。
風がつかめる状況になれば、何度も何度もタックして風上に上る。
他のチームから見れば、何度も前や後ろを横切る目障りな艇と映っただろう。


ゴールでは止まらない

マストの故障があった。
転覆した艇を見た。
今年も数々のドラマがあった。
そして最後はランニング(後方から風を受けて走る)状態で、19位でのゴール!

実はここに来るまで、そこがゴールとは知らされていなかった。
どうやら、さらにコース短縮がなされたようだ。
レースが終了してマーカーを回ると、本来のレースコースと同様のアビームとなった。
俺たちが待ち望んでいた風。
「このまま、港まで走る!」
心地良く走る姿に、だれもニヌハ2世号を止めようとは思わなかった。